講座は指定の有無から確かめる
スクールを比べるとき、最初に見るのは料金でもカリキュラムでもありません。
その講座が指定を受けているかどうかです。ここで数十万円変わります。
指定はスクール単位ではない
厚生労働省の説明はこうです。
教育訓練給付金とは、働く方々の主体的な能力開発やキャリア形成を支援し、雇用の安定と就職の促進を図ることを目的として、厚生労働大臣が指定する教育訓練を修了した際に、教育訓練経費の一部が支給されるものです。
指定されるのは「教育訓練」であって、事業者ではありません。
同じスクールでも、Aコースは指定を受けていてBコースは受けていない、ということが起こります。「このスクールは給付対象」という書き方は、講座名まで見ないと確かめられません。
条文の側も同じ書き方です。
教育訓練給付金は、次の各号のいずれかに該当する者(以下「教育訓練給付金支給対象者」という。)が、厚生労働省令で定めるところにより、雇用の安定及び就職の促進を図るために必要な職業に関する教育訓練として厚生労働大臣が指定する教育訓練を受け、当該教育訓練を修了した場合(当該教育訓練を受けている場合であつて厚生労働省令で定める場合を含み、当該教育訓練に係る指定教育訓練実施者により厚生労働省令で定める証明がされた場合に限る。)において、支給要件期間が三年以上であるときに、支給する。
「指定する教育訓練を受け」です。事業者ではなく訓練が主語になっています。
確かめ方
指定講座は厚生労働省の検索システムに載っています。教育訓練給付金(厚生労働省)から「教育訓練講座検索システム」へたどれます。
見るのは3点です。
- 講座名が載っているか(スクール名だけで探さない)
- 区分(専門実践/特定一般/一般)
- 指定の期間(申し込む時期が期間内か)
3つ目が落とし穴です。指定には期限があり、更新されないことがあります。申し込む時点で指定されているかを見てください。
区分で金額が変わる
区分ごとの率と上限は給付の対象は指定された講座だけにまとめました。
比べるときに効くのは上限のほうです。受講料が高いほど、率よりも年間上限で頭打ちになります。
たとえば受講料が60万円で一般教育訓練(20%・上限10万円)なら、20%は12万円ですが上限が10万円なので、戻るのは10万円です。率だけを見て「12万円戻る」と計算すると外れます。
自分の側の要件も先に見る
講座が指定を受けていても、自分が要件を満たしていなければ支給されません。
- 支給要件期間が3年以上(初めての場合は1年以上の扱いになることがある)
- 前に受給していないか(受給していると、それ以前の期間は算入されない)
この2つは講座を選ぶ前に確かめられます。数え方は支給要件期間は3年で数えるにまとめました。雇用保険の加入期間はハローワークで照会できます。
比べる順序
- 自分の支給要件期間を確かめる(ハローワーク)
- 候補の講座名で検索システムを引く
- 区分と指定期間を見る
- 受講料に率をかけ、上限で切る
- 残りの自己負担で比べる
4を飛ばすと、広告の「実質◯万円」をそのまま信じることになります。
同じ資格でも講座で違う
同じ資格を目指す講座が複数あるとき、片方だけが指定を受けていることがあります。指定を受けている講座のほうが受講料が高い場合もあるので、表示価格ではなく給付を引いたあとの負担で比べることになります。
受講料50万円で専門実践(受講中50%・年間上限40万円)と、受講料35万円で指定なしの講座を比べるとします。前者は受講中に25万円が戻るので実質25万円、後者は35万円のままです。表示価格では後者が安く見えます。
この計算をするには、区分と上限を先に知っておく必要があります。専門実践の段階と上限は専門実践の70%は後から出るにまとめました。
通信制と夜間制で扱いが変わることがある
専門実践には、失業中の人向けに教育訓練支援給付金という別の給付があります。ただしこちらは通信制と夜間制が対象から外れています。
働きながら通うのか、辞めてから通うのかで、選ぶべき形態が変わります。辞めてから通う予定なら、通学制かどうかも確認の対象に入ります。
広告の「実質◯万円」を自分で検算する
スクールの広告には給付後の金額が書かれていることがあります。その数字が正しいかどうかは、率と上限を当てはめれば自分で確かめられます。
- 受講料に区分の率をかける
- 年間上限を超えていたら上限で切る
- 対象にならない費用(交通費・機材など)を元の額から抜く
3つ目を落とすと、広告の数字より戻りが少なくなります。
申請の期限も先に見ておく
支給は修了後の申請で受け取ります。期限は区分によって違い、専門実践は受講を始める前の手続きが必要です。
支給申請は修了から1か月以内にまとめました。選ぶ段階で読んでおくと、手続きを飛ばさずに済みます。
受講を始めたあとに指定が外れたら
指定には期限があり、更新されないことがあります。気になるのは、受講を始めたあとに指定が外れた場合です。
この点は講座の実施者に確認するのが確実です。一般には、受講を開始した時点で指定されていれば扱いは変わらないとされていますが、講座ごとに案内が違うため、申し込む前に書面で確認しておくほうが安全です。
口頭の説明だけだと、あとで食い違ったときに確かめる材料が残りません。問い合わせはメールで送り、返信を保存しておいてください。
スクール側の説明をどこまで信じるか
給付の窓口はハローワークなので、支給されるかどうかを最終的に判断するのはスクールではありません。スクールの案内に「対象です」と書かれていても、自分の側の要件は自分で確かめることになります。
確かめる先は2つです。講座の指定は検索システム、自分の支給要件期間はハローワークです。どちらも無料で確認できます。
まとめ
- 指定されるのは講座であって、スクールではない
- 検索システムでは講座名で引く。指定の期間も見る
- 区分で率と上限が変わる。上限のほうが効くことが多い
- 自分の支給要件期間は、講座を選ぶ前に確かめられる
- 専門実践は受講開始前の手続きがある
料金表より先に、講座名で検索システムを引いてください。