2回目を受けるには間が要る
一度受けたら次はいつ受けられるのか。ここで詰まる人が多くいます。
条文には2つの制限があり、どちらも「前回の受講開始日」を起点にしています。順番を決めるときに効いてくるので、1回目を使う前に知っておくほうが得です。
期間内は支給されない
1つ目の制限がこれです。
第一項及び前項の規定にかかわらず、同項の規定により教育訓練給付金の額として算定された額が厚生労働省令で定める額を超えないとき、又は教育訓練給付金支給対象者が基準日前厚生労働省令で定める期間内に教育訓練給付金の支給を受けたことがあるときは、教育訓練給付金は、支給しない。
後半が2回目の話です。「基準日前厚生労働省令で定める期間内に教育訓練給付金の支給を受けたことがあるとき」は支給しない、とあります。
基準日は受講を開始した日なので、新しい講座を始める日から見て、省令の定める期間内に前回の受給があると受けられないという形です。
前回の受給から日が浅いうちに次の講座を始めても、給付は出ません。講座は受けられますが、費用は全額自己負担になります。
期間も数え直しになる
2つ目は支給要件期間の計算です。
当該基準日前に教育訓練給付金の支給を受けたことがあるときは、当該給付金に係る基準日前の被保険者であつた期間
前回の受講開始日より前の期間は、支給要件期間に算入されません。
期間の定義そのものはこうです。
前項の支給要件期間は、教育訓練給付金支給対象者が基準日までの間に同一の事業主の適用事業に引き続いて被保険者として雇用された期間(当該雇用された期間に係る被保険者となつた日前に被保険者であつたことがある者については、当該雇用された期間と当該被保険者であつた期間を通算した期間)とする。
通算できるのが原則ですが、前回の受給があるとそこで切れます。10年勤めていても、3年前に受給していれば、算入されるのは3年分だけです。
つまり2回目には期間の制限と、要件期間の再蓄積という2つの壁があります。
順番で受け取れる総額が変わる
区分ごとに率と上限が違うので、どれを先に使うかで総額が変わります。
専門実践は受講中に50%、条件を満たせば70%・80%まで上がり、年間上限も大きくなります。一般教育訓練は20%で上限10万円です。
先に一般を使って期間をリセットしてしまうと、専門実践を受けたいときに要件期間が足りなくなることがあります。逆に専門実践を先に使えば、戻る額は大きくなりますが、次まで長く待つことになります。
どちらが良いかは、次に何を受けたいかで決まります。数年先まで学ぶ予定があるなら、順番を先に決めておいてください。
途中でやめた場合はどうなるか
支給されるのは修了した場合なので、途中でやめたときは受給していないことになります。受給していなければ期間のリセットも起きません。
ただし専門実践のように受講中に支給がある区分では、すでに受け取った分があるかどうかで扱いが変わります。やめた時点で支給を受けているなら、それは受給にあたります。
続けられなくなりそうなときは、次の受講の予定まで含めて窓口に相談してください。やめ方によって、次に受けられる時期が変わります。
家族の分と自分の分は別
給付は本人の雇用保険の記録にもとづくものなので、配偶者や子の受給は自分の期間に影響しません。
世帯で複数人が学ぶ場合、それぞれが自分の期間を確かめることになります。同じ講座を夫婦で受ける場合でも、支給の判断は別々です。
一方、受講料を一方が払った場合は「支払つた費用」の主体が問題になります。領収書の名義と、実際に負担した人が食い違わないようにしてください。
自分の履歴を確かめる
前回いつ受給したかを覚えていないことがあります。数年前だと記憶があいまいになります。
雇用保険の記録は住所地を管轄するハローワークで照会できます。受給の履歴も同じ窓口で確認できるので、2回目を考え始めた時点で一度行っておくと計画が立てられます。
申請の段階で「前回から期間が足りない」と分かると、すでに受講料を払った後になります。そこからは戻せません。
2回目でも手続きは同じ
期間の条件をクリアしていれば、手続きは1回目と変わりません。専門実践と特定一般は受講開始日の14日前までに受給資格確認の手続きが要り、一般は事前手続きがありません。
申請の期限も同じで、修了した日の翌日から1か月以内です。支給申請は修了から1か月以内にまとめました。
計画するときの順序
- 前回の受給がいつだったかを照会する
- 次に受けたい講座の区分を決める
- その区分の要件期間を満たすのがいつになるかを計算する
- 受講開始日を決める
- 事前手続きが要る区分なら、14日前から逆算する
3つ目で「まだ足りない」と分かったら、待つか、給付を使わずに受講するかの選択になります。待てる内容なら待つほうが金額の差は大きくなります。
支給要件期間の数え方は支給要件期間は3年で数えるに、区分ごとの率と上限は給付の対象は指定された講座だけにまとめました。
制度が変わることも見込んでおく
率も上限も省令で決まるので、改正で動きます。実際、専門実践の率は令和6年10月以降に開講する講座から変わっています。
数年後に2回目を受けるなら、そのときの率と上限は今と違う可能性があります。待つ判断をするときは、金額を固定して考えないほうが安全です。
指定講座の一覧も更新されます。いま指定を受けている講座が、数年後も指定されているとは限りません。2回目の候補は、受ける時期が近づいてから検索システムで引き直してください。
まとめ
- 2回目には期間の制限と要件期間の数え直しの2つがある
- どちらも起点は前回の受講開始日
- 省令の定める期間内に前回の受給があると、支給されない
- 前回の受講開始日より前の期間は、支給要件期間に算入されない
- 区分の順番で受け取れる総額が変わる
- 受給の履歴はハローワークで照会できる
1回目を使う前に、2回目の予定があるかを考えてください。