特定一般は事前の手続きが要る
3つある区分のうち、真ん中にあたるのが特定一般教育訓練です。
率は40%で、条件を満たすと50%まで上がります。専門実践ほど長い課程ではなく、数か月で終わる講座が中心です。ただし受講を始める前に手続きが要る点は同じで、ここを飛ばすと修了しても受け取れません。
どういう訓練が対象か
厚生労働省の説明はこうです。
特に労働者の速やかな再就職及び早期のキャリア形成に資する教育訓練が対象となります。
「速やかな再就職」と「早期の」という言葉が入っています。専門実践が中長期のキャリア形成を想定しているのに対し、こちらは短期で職に就くことを想定した区分です。
大型自動車第一種・第二種免許、宅地建物取引士、社会保険労務士の講座、一部の情報通信技術の資格などが指定を受けています。
率と上限
支給の仕方は修了後の一括です。専門実践のように受講中に受け取る形ではありません。
| 段階 | 率 | 上限 |
|---|---|---|
| 修了後 | 40% | 20万円 |
| 資格取得+1年以内に雇用 | 50%との差額 | 25万円 |
上乗せの条件は専門実践と同じ書き方です。
資格取得等をし、かつ訓練修了後1年以内に雇用保険の被保険者として雇用された場合は、
資格を取ることと、1年以内に雇用保険の被保険者として雇われることの両方が要ります。すでに在職している場合も、この条件の対象になります。
上限が20万円なので、受講料が50万円を超えると40%より上限のほうが先に効きます。率だけで金額を出さず、上限で切ってから比べてください。
受講開始前の手続き
特定一般には、受講を始める前にやることがあります。期限は省令にあります。
教育訓練給付金支給対象者であつて、特定一般教育訓練に係る教育訓練給付金の支給を受けようとするもの(以下この条において「特定一般教育訓練受講予定者」という。)は、当該特定一般教育訓練を開始する日の十四日前までに、教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金受給資格確認票(様式第三十三号の二の二)に次の各号に掲げる書類を添えて管轄公共職業安定所の長に提出しなければならない。
開始する日の十四日前までです。添える書類のひとつがこれです。
担当キャリアコンサルタント(キャリアコンサルタントであつて厚生労働大臣が定めるものをいう。第五項及び次条において同じ。)が、当該特定一般教育訓練受講予定者の就業に関する目標その他職業能力の開発及び向上に関する事項について、キャリアコンサルティングを踏まえて記載した職務経歴等記録書
つまりキャリアコンサルティングを受けて職務経歴等記録書(ジョブ・カード)を作ったうえで、開始の14日前までに提出することになります。コンサルティングの予約が要るので、実際には14日よりさらに前から動く必要があります。
申し込みより先にハローワークへ行く形になるので、講座の申込期限と逆算してください。
一般教育訓練にはこの事前手続きがありません。区分によって流れが違うので、自分が選ぶ講座がどの区分かを先に確かめてください。区分の見分け方は講座は指定の有無から確かめるにまとめました。
修了後の申請期限
支給の申請には期限があります。省令の書き方はこうです。
前項の規定による通知を受けた第百一条の二の七第二号に掲げる者に該当する教育訓練給付金支給対象者は、特定一般教育訓練に係る教育訓練給付金の支給を受けようとするときは、当該教育訓練給付金の支給に係る特定一般教育訓練を修了した日の翌日から起算して一箇月以内に、教育訓練給付金(第百一条の二の七第一号及び第二号関係)支給申請書に次の各号に掲げる書類を添えて管轄公共職業安定所の長に提出しなければならない。
修了した日の翌日から1か月以内です。上乗せの50%を狙う場合は、資格を取って就職してからの申請になるので、起算点が変わります。
期限と持ち物は支給申請は修了から1か月以内にまとめました。
自分の側の要件
講座が指定を受けていても、本人の側の要件を満たさなければ支給されません。
一定の受給要件を満たす方が、厚生労働大臣の指定を受けた教育訓練を受講・修了した場合に、その費用の一部が教育訓練給付金として支給されます。
支給要件期間は原則3年以上で、初めて受ける場合は1年以上として扱われる場合があります。前に受給していると、それ以前の期間は算入されません。
自分の期間はハローワークで照会できます。講座を選ぶ前に確かめておくと、申し込んでから対象外だと分かる事態を避けられます。
対象になる費用の範囲
率をかける元は「受講のために支払つた費用」ですが、条文はその範囲を省令に委ねています。入学金と受講料は入りますが、次のようなものは外れます。
受験料そのものは講座の費用ではないので対象になりません。教習所へ通う交通費、遠方に泊まる場合の宿泊費も同じです。パソコンや工具など、講座とは別に買った機材も基本的には外れます。任意で買った補助教材も、必須でなければ含まれません。
判断に迷うものは、申し込む前に講座の実施者に確認しておくと後で困りません。「これは給付の対象になりますか」と聞けば、実施者は指定を受けている側なのでたいてい答えられます。
領収書は費用を証明するためのものです。支払った相手と内訳が分かる形で受け取り、提出まで保管してください。分割で払った場合は全部そろっているかを確認します。カードの利用明細だけでは足りないことがあります。
途中でやめると出ない
支給されるのは修了した場合です。特定一般は修了後の一括支給なので、途中でやめるとそれまでに払った費用は戻りません。
数か月の講座とはいえ、仕事の繁忙期と重なると出席が難しくなります。修了の要件は講座ごとに違い、出席率や修了試験が設けられていることがあります。申し込む前に、何を満たせば修了になるのかを確かめてください。
働きながら通う場合、週あたりの時間で見るより、忙しい月に落とせるかどうかで考えるほうが現実に合います。通信制なら自分のペースで進められますが、その場合も課題の提出期限があります。
専門実践と迷ったとき
同じ資格でも、専門実践と特定一般の両方に指定講座があることがあります。
| 専門実践 | 特定一般 | |
|---|---|---|
| 率 | 受講中50%、条件次第で70%・80% | 40%、条件次第で50% |
| 年間上限 | 40万〜64万円 | 20万〜25万円 |
| 支給の時期 | 受講中6か月ごと | 修了後 |
| 期間 | 長い課程が中心 | 数か月が中心 |
戻る額は専門実践のほうが大きくなりますが、期間も長くなります。働きながら通うなら、続けられる分量かどうかが先に来ます。
専門実践の段階は専門実践の70%は後から出るにまとめました。
まとめ
- 特定一般は「速やかな再就職及び早期のキャリア形成」に資する訓練の区分
- 率は修了後に40%、条件を満たすと50%との差額。上限は20万円と25万円
- 上乗せの条件は資格取得と、1年以内に雇用保険の被保険者として雇用されること
- 受講開始日の14日前までにハローワークで受給資格確認の手続きが要る
- 申請の期限は修了した日の翌日から1か月以内
- 一般教育訓練には事前手続きが無い。区分で流れが違う
申し込む前にハローワークへ行く区分だ、というのがいちばん大きな違いです。